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【ザ・ノンフィクション】今がコロナかどうかは関係ない、店はやる、それだけだ!【はっちゃんショップはハードコア】

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これ1枚で食べ放題とは…


8月最初のフジテレビ「ザ・ノンフィクション」は、新型コロナ流行のさなか、80歳超のおばあさんが、今最も警戒されそうな「バイキング形式」の飲食店を、力づくで再開する、という、ハードコアなお話でしたね。

 

まさに命がけ。あれが戦中生まれの底力です。公式サイトより、あらすじは以下です。

おなかも心もいっぱいに ~はっちゃんの幸せ食堂~

たった500円で食べ放題。
群馬・桐生市にある小さな食堂は、いつもたくさんの客で溢れている。バイキング形式で並ぶ料理は、筑前煮やカレイの煮付け、焼きナスや山菜の天ぷらなど、懐かしい「おふくろの味」が15品以上。地元だけでなく、県外からも多くの客が訪れる人気の食堂だ。
そんな食堂を22年間、たった一人で続けているのが、今年85歳になる田村はつゑさん。通称・はっちゃん。一年中、素足に下駄で料理から片付けまで全て一人でこなしている。500円では採算が取れず、食堂は毎月7~8万円の赤字。それでも「お腹いっぱいになれば人は幸せになる」といつも笑顔で元気一杯だ。
なぜ、はっちゃんは食堂を始め、赤字でも続けているのか…そこには、小学校にも通えず読み書きすら学べないまま10歳から働き続けてきた壮絶な人生と、57歳の時に人生を変えた、ある「恩人」との出会いがあった。
はっちゃんの食堂にも新型コロナの影響がおよぶ。客は激減し、はっちゃんは食堂の営業を休止する…「人は触れ合わないとダメだよ」そうつぶやくはっちゃんは、まるで生きがいを奪われたかのよう…そして2カ月半後、ようやく食堂の再開を決めるのだが… 

 先日、某高級ホテルチェーンでは、バイキング(というか、気取ってビュッフェでしたが)をするときには客側に手袋をさせ、料理もアクリル板で囲って、コロナ対策万全!という話を、テレビで見たばかり。

 

それと比較すると、はっちゃんさん(今回の主人公のおばあさん)のお店は、コロナ集団感染待ったなし!という感じです。しかし、はっちゃんが後期高齢者であり、もう

 

好きにさせてあげて!!

 

という感じで、素直に見ました。新規感染者が増え、外食もはばかられるこのタイミングで、この話をぶっこむフジテレビ。やっぱり、見込んだだけのことは、ある。

 

毎月8万の赤字だと!(赤字は年金補填??)

 

今回の舞台だった「はっちゃんショップ」。「食堂なのにショップなのかよ」という謎のネーミングセンスは脇に置き、お店があるのは群馬県東部の奥地、桐生市です。食べログにお店の情報があり、星は3.3と少々低め。

tabelog.com

なんだか、茶色い食べ物が多いので、もし食べに行くことがあったら、料理には暖色系のフィルターかけた方がおいしく撮れるかも。食べログ情報を信じるなら、日曜定休、定員は20人とのことです。

 

この店、番組中では1日の売り上げが1万6500円ぐらいとのこと。1食500円なので、単純に割るとお客さんは33人分ですね。もっと客が入っているようにも見えましたが、小学生はタダ。500円は税込み価格なのか?とか、考えるだけ、野暮です。

 

番組中、食品スーパーで仕入れをするシーンがあり、3万円払ってましたね。番組終盤でだいたい1回の仕入れは2万円ぐらいが多い、みたいな話もありました。

 

当然かもしれませんが、この店、材料費だけ考えても、やればやるだけ赤字です。仮にいつもの仕入れは1日2万円、売り上げがざっくり1日1万7000円だと、毎日3000円のマイナス。月25日営業なら、7万5000円のマイナスですね…。

 

この数字見て、背筋が凍るのは、赤字額がはっちゃんさん個人の月の年金額を超える恐れがあるため。番組中、はっちゃんさんは、「年金が2か月で15万円」と話してました。この額から想像すると、はっちゃんさんはたぶん、満額の老齢基礎年金(国民年金)をもらっていそうです。

 

毎年の物価変動などの補正を無視すれば、老齢基礎年金は年間78万900円。月額は、約6万5000円です…

 

月々の老齢年金を全投入しても、なお1万円、不足!

 

ちなみに、はっちゃんさんが本人の老齢基礎年金をもらっている場合、亡くなっている夫の遺族基礎年金はもらえません。実は付加年金納めていたとか、国民年金基金に入っていた、とかで年間9万6000円、月で8000円、年金額がプラスされても、なお赤字。出費は仕入れだけでなく、水道光熱費もあるので、現実の赤字はもっと大きそうですね。

 

(正直、2日深夜時点までは、亡くなった夫の遺族基礎年金で赤字を補填しているのでは?と想像し、このブログでもそう書いてましたが、よくよく考えたら、老齢基礎年金と遺族基礎年金は併給できませんでした!、なんてこった。ますます資金繰りが謎)

 

たまっていく赤字は一体どうしているんでしょうか。

 

店を20年以上やって、さすがに貯金を毎月切り崩している、というのは現実的ではないのかなと感じます。可能性としては、①夫が勤め人で遺族厚生年金(こっちは老齢基礎年金と一緒にもらえる)が出ている、②はっちゃんさん自身に勤め人時代の老齢厚生年金が出ている、として、そこから赤字を埋めているのかもしれませんね。

 

店が賃貸か本人の持ち物か、光熱費がどのぐらいかかるのかわかりませんが、店の運転資金は年金から出すとして、はっちゃんさんは自宅のガスを止めていましたが、本人の生活費は、月2、3万円でしょうか?持ち家ならギリ、いけるのかもしれませんが。

 

本人は番組中で「年金は全部店に取られる」という趣旨のことを言っていましたが、おおげざでなく、たぶん本当です。あれはとても、店じゃない。あ、あれは

 

年金を飲み込む、ブラックホールだ!

 

ひゃー。

 

 

フジ、多少学んだのか??

 

正直、今回もザ・ノンフィクション的掘り下げの浅さで、いまいちなんではっちゃんさんが年金を削ってまで、店を続けるのか、よくわかりません。「みんなの笑顔が」的な理由は、たぶんテレビ的な誘導。わかるようで、分かりません。

 

ただ、この人、50代後半で突然何かに目覚め、その後は火の玉のようになってます。57歳でカブに載って日本一周をしたことがあるとか。普通じゃありません(いい意味で)。思いついた大きな夢を実行に移す人、素直に尊敬しました。

 

店を始めたのは62歳から。普通だと黄昏時で家でゆっくり、とかしてしまうかもしれませんが、そこから店を開始。逆転の発想で、年金で帳尻を合わせればいいため、あまり純粋な商売の収支にキリキリしなくていいのかもしれません。

 

この店、食べ放題、居放題なので、近所の年金生活者は、ずっと入り浸んじゃないでしょうか。そういうのが本人にとって、楽しいのかもしれませんね。

 

つい店の体をなしているので、「商売」として外野は見てしまいますが、カネのかかる趣味だと思えば、そういうもんかな感もあります。コロナのさなかで通常の飲食店が店を再開するのは生活のためですが、はっちゃんさんの場合は、本人の楽しみのため、再開は必要だったんですね。

 

印象に残ったのは、番組側がはっちゃんさんに「生きがいを取り戻したい」とか、そういうテレビ的なセリフを表立って言わせなかったところ。

 

どうしたフジ!学んだ、のか?フジ?

 

いや、再開した店に、九州の恩人が来るとか、さすがにタイミングがいいので、やっぱり今回もフジ(というか制作会社)は「やった」んだなと思います。「コロナで人との触れ合いがなくなって云々」みたいな話も、ディレクターが言わせたたんだろーな、という感じがひしひしと…

 

それとは別に、気になったのは、はっちゃんさんは仏壇に夫の遺影はあるとして、もう1つ飾っていたのは母のもの、のみだったとこ。はっちゃんさんの行動原理に迫る何かが、あそこに隠れていそうな気がした、瞬間でした。そこをもうちょっと、掘ってほしかったですね。

 

あのポスター

 

どうでもいいですが、今回終始気になったのが、あの店内のでっかいポスター。はい、あの篠原涼子の特大ポスターです

 

ポスターにアルファベットで桐生と読める文字があるので調べたら、桐生市の観光イメージアップポスター、です。以下のサイトにあります。(転載禁止なのでリンク貼りました)

www.city.kiryu.lg.jp

 

篠原涼子って、桐生市出身で、観光大使もやっているらしいですよ。最初、「もしや篠原涼子の実家なのか?」と思いましたが、さすがにそれは違いました。

 

篠原涼子のイメージといえば、今でも「映画版の『ストリートファイターⅡ』で小室哲哉が作った主題歌、歌ってたな」という感じですが、懐かしくなってウィキペディアで調べたら、チュンリー藤谷美紀だったり、ケンが羽賀研二(名前とかけたのか?)だったり、時代を感じますね。

ストリートファイターII MOVIE - Wikipedia

 

今回の「おなかも心もいっぱいに 」は、おばあさんのアップが多いという意味で、前回に続いて絵柄は素朴回。

 

しかし、コロナ感染すれば致死率が高い年齢にも関わらず、自らの生活保障費たる年金をガリガリ削って、自分の店を開く、という、お話し的にはかなり鋭角に、心に刺さった作品でした。

 

店であんなに料理作っているのに、自宅ではスーパーで買ったご飯とマグロの切り落としを食し、「料理は他人のためにしか作らない」という趣旨のことを話す、はっちゃんさん。

 

あんた、ほんとはバイキングの鉄人かなんかなんじゃ…

 

意図せずアナーキー。そんな無敵モードのおばあさんには、誰もかないませんね。

 

次回は東大相撲部のお話とか。東大生というだけで、すでに「つまらない感じ」しかしませんが、来週も見たいと思います。